
こんにちは。静岡県富士市・富士宮市を中心に営業する行政書士・海事代理士の海野孝幸です。
今回は、スクラップやリサイクルに携わる事業者様、そして産業廃棄物を排出する事業者様に向けて、非常に重要なお知らせです。
2026年(令和8年)6月19日、国会にて「廃棄物処理法の改正案」が正式に可決・成立しました。
今回の改正の最大の目玉は、いわゆる「ヤード問題」に対する全国一律の厳しい法規制です。これまで「届出」だけで済んでいたスクラップヤードの運営が、今後は都道府県知事の「許可制」へとガラリと変わります。
プロである私自身も、資料を初めて読んだときはその難解さに頭を抱えるほどの大きな大改革です。事業者様に直撃するポイントを、どこよりも分かりやすく噛み砕いて解説します。
1. なぜ今、法改正が行われたのか?
平成29年の法改正で「有害使用済機器保管等届出制度」が作られ、家電や小型家電のリサイクル品が規制対象となりました。
しかし、この制度の対象外だった金属スクラップや雑品スクラップなどの保管場所(ヤード)において、以下のような環境トラブルが全国で相次いでいました。
・リチウムイオン電池などが原因の大規模な火災
・スクラップ山崩落による安全上の危機
・屋外保管に伴う油の流出や汚水の発生
これまでは「廃棄物ではなく、価値のある資源(有償物)」という理由で規制の目をかいくぐってきた不適正処理に対し、国がついに本腰を入れて一網打尽にするための法改正です。
2. 改正のポイント:金属だけでなく「プラスチック」も対象!「許可」が必須に
今回の法改正により、実務は以下のように激変します。
①「有害使用済機器保管等届出制度」の廃止と、新区分の誕生
これまでの届出制度は廃止されます。代わりに、本来の用途を終了した金属製品やプラスチック製品を包括的に縛る、新しい区分が新設されました。
具体的には、使用済みの鉛蓄電池やリチウムイオン電池、金属・雑品スクラップなどが広く対象となる見込みです。
②「保管するだけ」でも都道府県知事の「許可」が必要
対象となる物品の譲渡を目的とした「保管」を行う場合、または「再生(リサイクル)」を行う場合は、都道府県知事や政令市長の「許可」を得る必要があります。
③ 産廃処分業並みの厳しい審査
これまでの「書類を出せば終わり」の届出とはワケが違います。
許可を得るためには、従来の産業廃棄物処理業と同じように、「経理的基礎(赤字続きでないか等)」や「技術的能力」があるか、また「欠格要件」に該当しないかが厳しく審査されることになります。
3. 今後のスケジュールと、事業者が今すべきこと
今回成立した改正法のうち、スクラップヤードに関する新制度は、公布から2年6か月以内(2028年(令和10年)12月中旬まで)に施行される予定です。
「まだ2年もあるから大丈夫」と油断してはいけません。
現段階(2026年9月現在)では法律の大枠が決まった段階であり、実務に直結する「具体的にどれくらいの敷地面積から許可が必要になるのか」「保管場所の囲いや床面の具体的な技術基準はどうなるのか」といった細かなルール(政省令)は、環境省の有識者検討会にてまさに今、今年度内の決定に向けて議論されている最中です。
基準が公表されてから慌てて設備を改修したり書類を集めたりするのは、非常に困難です。スクラップやリサイクルを扱う事業者様は、今のうちに以下の準備を始めておくことを強くおすすめします。
1.自社が扱っている物(鉛蓄電池、リチウム電池、金属くず等)の品目と量の再確認
2.現在の保管場所の設備状況(囲いや床面、油水分離装置の有無など)の把握
産廃専門行政書士・1級産業廃棄物適正処理管理士にお任せください
この法改正は、これまでの「廃棄物(ゴミ)」と「有償物(資源)」の境界線を取り払う、実務家にとっても非常に複雑で難解な制度です。
当事務所では、産業廃棄物適正処理管理士1級の専門知識を活かし、今後発表される環境省の具体的な許可基準(政省令)の動向をいち早くキャッチしてまいります。
「ウチのヤードは許可が必要になる?」「新制度に向けて今からできる対策はある?」など、少しでも気になる点がございましたら、新制度が本格始動して大混乱する前に、どうぞお気軽にご相談ください。ご相談は無料で承ります。
なお、当事務所は海事代理士業務も行っております。陸(産廃や建設)だけでなく、船や海の手続きにもワンストップで対応しております。どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。
