【富士市】建設業許可の営業所技術者要件と現場兼任ルールを行政書士が解説

【富士市】建設業許可の営業所技術者要件と現場兼任ルールを行政書士が解説

建設業許可における営業所技術者(行政書士海野孝幸)

富士市や富士宮市など、静岡県東部・中部で建設業を営む経営者の皆様、こんにちは。富士市の行政書士・海事代理士の海野孝幸です。

元請企業から「そろそろ建設業許可を取ってほしい」と言われたり、大きな規模の工事を受注するために許可申請を検討し始めたりする会社が増えています。

建設業許可を取得する上で、最も大きなハードルとなるのが「営業所専任技術者(※2024年の法改正により、現在は『営業所技術者』に名称変更)」の配置です。

「社内に資格を持っている人がいるけれど、これで足りる?」「資格はないけれど、10年以上の現場経験があれば許可は取れる?」といった疑問をお持ちの方に向けて、富士市での申請を念頭に置きながら、要件と注意点を分かりやすく解説します。

なお、特定建設業においては建設業法において別途、営業所技術者要件が規定されており、一般建設業におけるそれよりも厳格な要件を必要としておりますので、別稿にて解説いたします。本稿では、一般建設業における営業所技術者について解説している旨、ご了承ください。

営業所専任技術者(営業所技術者)とは?

営業所専任技術者とは、その営業所に「常勤」し、見積書の作成、入札、契約締結など、工事の技術的な判断や管理を行う責任者のことです。

よく「現場の主任技術者」と混同されがちですが、役割が異なります。

  • 営業所技術者:営業所にこもって、技術的な書類作成や契約の管理を行う人
  • 主任技術者・監理技術者:実際の工事現場に行って、施工や安全の管理を行う人

建設業許可を取得するためには、営業所ごとにこの「営業所技術者」を必ず1名以上配置しなければなりません。

営業所技術者になれる人の要件(2つのケース)

では、どのような人がこの技術者になれるのでしょうか。大きく分けて「資格があるケース」と「資格がないケース」の2パターンがあります。

ケース①:国家資格等を持っている場合(一番スムーズ)

社内に指定の国家資格を持っている人がいれば、一番スムーズに証明が可能です。

  • 主な資格の例
    • 1級・2級 建築施工管理技士
    • 1級・2級 土木施工管理技士
    • 1級・2級 管工事施工管理技士、電気工事施工管理技士
    • 一級・二級 建築士、木造建築士
    • 技能検定(1級、または2級+実務経験)など

取得したい建設業の種類(業種)によって、必要な資格は細かく決まっています。資格免状(合格証明書)の原本を提示することで、技術者としての能力を簡単に証明できます。また、資格の根拠法令としては建設業法の他、建築士法、技術士法など関連法令に基づくものもあります。

ケース②:資格がない場合(10年の実務経験で証明)

「資格を持っている人はいないけれど、叩き上げのベテランならいる」という場合でも諦める必要はありません。10年以上の実務経験があれば、資格がなくても技術者になれます。

実務経験の条件

許可を取りたい業種に関する工事を、過去に10年以上経験していること
(例:大工工事の許可を取りたいなら、大工工事の実務経験が通算10年以上必要、ただし、一部他の実務経験での合算が認められる場合もあります)

学歴による期間短縮

指定の学科(建築科、土木科など)を卒業している場合、高卒なら5年、大卒・高専卒なら3年の実務経験に短縮されます。

富士市で申請する際の「実務経験証明」のリアルな難しさ

資格があれば証明は簡単ですが、「ケース②:10年の実務経験」で申請する場合は、書類集めの難易度が跳ね上がります。

富士市を管轄する「静岡県 富士土木事務所」に申請を出す際、口頭で「10年やってきました」と言っても絶対に認めてもらえません。過去10年間にわたって、実際にその工事を行っていたことを「客観的な書類」で証明する必要があります。

  • 集めるべき書類の例
    • 過去10年分(各年1件以上、または数ヶ月ごと)の「工事請負契約書」「注文書・請書」「請求書+入金確認ができる通帳のコピー」
    • その期間、その会社に在籍して働いていたことを証明する「確定申告書(控)」や「住民税の課税証明書」など

「10年前の請求書や注文書なんて、とっくに破棄してしまった」「当時の元請けが倒産していて連絡がつかない」といった理由で、実務経験の証明を断念してしまう事業者様が非常に多いのが実情です。

しかし、書類の組み合わせや残し方によっては、別の書類で代替できるケースもあります。ここは行政書士が過去の書類を1枚ずつ精査し、パズルのように組み立てていく「腕の見せ所」でもあります。

【重要】「営業所の技術者」は現場に出られるのか?最新ルール

小規模な建設会社や1人親方の会社では、「社長が営業所技術者であり、かつ現場の主任技術者でもある」というケースがほとんどです。

これまでは「営業所に専任(引きこもり)」が原則だったため、現場の技術者と兼任することは厳しく制限されていました。しかし、建設業に従事する人材不足の深刻化などにより営業所技術者とは別の現場の主任技術者を確保することが年々困難となってきたこともあり、近年の法改正(2024年12月完全施行)により、この兼任ルールが大きく緩和されました。

兼任ができる最新の条件

営業所技術者であっても、以下の条件をすべて満たせば、現場の「主任技術者」を兼任して現場に出ることができます。

①専任を要しない工事であること
 請負代金が4,500万円(建築一式なら9,000万円)未満の小規模な工事であること。
②営業所と現場が「近接」していること
 営業所と現場との間があまりに離れていては、営業所技術者が営業所で指揮をとることができま
 せんので、合理的に考えて移動できる距離であることが必要となります。このため、営業所と現
 場との間が、「片道おおむね2時間以内」(建設業法施行規則第17条の2第1項)で移動できる距離
 であることが要請されています。
③適切な連絡体制・ICTの活用
 営業所に連絡員を配置する、または遠隔カメラ(ウェアラブルカメラやスマホ)などを活用し
 て、営業所からの連絡にいつでも対応できる体制が整っていること。

富士市の事業者にとってのメリット

上述した②のルールは、富士市の事業者様にとって大きな追い風です。
富士市に営業所があれば、沼津市や三島市などの東部エリア、静岡市などの中部エリアはもちろん、箱根を越えて神奈川県西部(小田原市など)や、山梨県南部、伊豆半島の現場であっても、片道2時間圏内に収まるケースがほとんどです。

「営業所技術者だから現場に行けない」と人員不足に悩む必要がなくなり、社長1人の会社であっても、近隣エリアの現場であれば合法的に兼任して工事を進めることが可能になりました。

まとめ:まずは「どのルートで進めるか」の診断から

建設業許可の取得、特に「営業所技術者」の証明は、会社の未来を左右する重要なプロセスです。

社内に資格保持者がいるなら、どの業種の許可に対応しているかの確認
資格者がいないなら、過去10年分の書類が富士土木事務所の基準を満たしているかの精査

これらを経営者様が本業の合間に調べるのは、膨大な時間と労力がかかります。

当事務所は、富士市・富士宮市を中心に、地元の建設業者様の許可取得を全力でサポートしています。「うちの書類で許可が取れるか見てほしい」といったご要望にも柔軟に対応いたします。まずはどうぞお気軽にお問い合わせください。

【当事務所の対応エリアについて】
当事務所は、富士市・富士宮市を中心に、沼津市、三島市、静岡市清水区など静岡県東部・中部全域の建設業・産廃業許可をサポートしています。「ウチの地域まで来てくれるかな?」と思われた方も、どうぞお気軽にご相談ください。初回ご相談無料で承ります。
また、海事代理士業務も行っていますので、海や船舶、船員さんなどの手続きを行いたいといった場合にもお気軽にご相談ください。
陸から海までワンストップでサポートさせていただきます!