富士市の建設業者必見!建設業財務諸表とは?税務申告用決算書との違いを解説

富士市の建設業者必見!建設業財務諸表とは?税務申告用決算書との違いを解説

建設業財務諸表(行政書士・海野孝幸)

富士市の建設業者、またはこれから建設業許可を取得したいとお考えの方の中には、許可申請時、許可更新時に決算書(財務諸表)の添付が必要である、また、決算日から4ヶ月以内に監督官庁(静岡県知事もしくは国土交通大臣)への提出が必要である、ということはご存じの方も多いと思います。

しかし、この許可申請時および更新時に添付する、もしくは決算日から4ヶ月以内に監督官庁へ提出する決算書(財務諸表)は、皆様が通常、税理士や公認会計士の方に作成いただいている税務申告用に作成する決算書とは少し仕様が異なるものである、ということはご存じでしょうか?

本稿では、建設業許可申請及び更新時に建設業財務諸表の添付が必要となる理由、及び財務諸表について概要を説明してまいりたいと思います。

建設業財務諸表ってどんなもの?

建設業に用いられる財務諸表は、一般に税務申告用に用いられるそれとは一部、異なる勘定科目が用いられることがあります。例えば、税務申告用に用いられる決算書には「売掛金」という勘定科目が用いられますが、建設業財務諸表では「完成工事未収入金」という勘定科目が用いられます。

なぜ税務申告用の決算書と区別されているの?

ではなぜ、「売掛金」といわないのでしょうか。

建設業は、建物を建てるのに数ヶ月〜数年という長い時間がかかります。「今、いくら売るための工事をしていて、そのうちいくら回収できていないのか」を明確に区別しないと、会社の経営状態が分からなくなってしまいます。そのため、一般企業の売掛金にあたるものを、建設業ではわざわざ「完成した工事の、まだ入ってきていないお金」という意味で、文字通り完成工事未収入金と呼んでいます。

この他、建設業法施行規則による勘定科目の指定もあります。

建設業では「建設業法」に基づき、国土交通省が定めた「建設業財務諸表」を使用するルールがあります。公共工事の入札(経審:経営事項審査)を受ける際には、この共通のルール(勘定科目)で書類を作らなければ審査ができません。業界全体で財務状態を正しく比較・評価できるように統一するという制度上の趣旨があります。

また、この建設業財務諸表は監督官庁に提出後、公衆の閲覧に供することによって、公共及び民間工事の発注者が、建設業者の経営成績や財務内容の健全性を適格に判断し、建設業者を選定できるようにする、という目的もあります。

一方で税務申告用に作成される決算書は、その名の通り法人税等の課税所得の計算を主な目的として作成することが一般的であり、企業会計原則に基づく財務情報が適切に表示されているとは限りません。しかも、勘定科目の設定も各企業で異なることも多く、また先述した完成工事未収入金など、建設業者にとって重要な財務情報が記載されていないことが少なくありません。こうした状況では、他社の財務内容と比較検討することも困難となってしまいます。

こうしたことを避けるため、建設業においては統一的なルールを設け、これに則った財務諸表の作成、提出を各業者に義務づけているのです。

建設業財務諸表の作成は難しい?

とはいうものの、建設業財務諸表をイチから作成する、または税務申告用の決算書を元に建設業財務諸表を作成するのは先述した「完成工事収入金」といった建設業固有の勘定科目を用いる必要もあり、知識が乏しい方にとっては難しく感じられることと思います。

例えば、先述した完成工事未収入金を含め、建設業財務諸表を作成する際に用いられる勘定科目には下記のようなものがあります。

売掛金 → 完成工事未収入金
買掛金 → 工事未払金
棚卸資産(仕掛品) → 未成工事支出金
前受金 → 未成工事受入金
売上高 → 完成工事高
売上原価 → 完成工事原価

いずれの勘定科目も建設業の経理ご担当者にとってはなじみのあるものかもしれませんが、それ以外の方にとってはやや聞き慣れないものもあると思います。

また、提出を怠った場合や間違えた場合の「リスク」も踏まえておかなければなりません。

すなわち、

許可の更新ができなくなる:決算変更届(財務諸表の提出)を毎期出していないと、5年に1回の許可更新を受け付けてもらえません。

書類の不備で罰則や指導の対象になる:決算変更届は法的な義務です。内容にデタラメな記載や大きな誤りがあると、監督官庁から指導を受けたり、最悪の場合は許可の維持に悪影響が出たりするリスクがあります。

閲覧時に企業の信用が落ちる:建設業財務諸表は一般に公開(閲覧)されるため、デタラメな科目で出していると元請けや金融機関からの信用を失うリスクがあります。

建設業財務諸表の作成をプロに任せるのが安心な理由?

税務申告用の決算書から、建設業特有の科目へと正しく組み替える作業は、専門知識がないと非常に時間がかかります。

単に「書類を作るのが面倒だから」という理由だけでなく、以下のような経営上の大きなメリットがあるため、多くの建設業者様が行政書士などの専門家を活用しています。

すなわち、

1. 間違いのない「科目変換」で、決算書の信頼性が上がる

税務用の決算書をそのままスライドさせるだけでは、建設業法特有のルール(完成工事未収入金や未成工事支出金への振り分けなど)に対応できません。

建設業会計のルールに則った「正しい財務諸表」を作ることで、監督官庁からの差し戻しを防ぐだけでなく、銀行や元請け企業から「しっかりした会社だ」と信頼される決算書になります。

2. 毎年の「決算変更届」がスムーズになり、許可更新を忘れない

建設業許可を維持するには、毎年決算後4ヶ月以内に財務諸表を提出(決算変更届)しなければなりません。これを出していないと、5年に一度の「許可更新」が受けられなくなります。

プロに依頼しておけば、毎年の期限管理から書類作成・提出まで丸投げできるため、「うっかり出し忘れて許可が失効した」という致命的なリスクをゼロにできます。

3. 本業の「現場」や「営業」に100%集中できる

慣れない建設業財務諸表を経営者や現場の方が調べながら作ると、膨大な時間と精神的ストレスがかかります。

面倒な事務作業をすべてプロに外注することで、経営者は一番利益を生み出す「現場の施工管理」や「新規案件の受注営業」に時間とエネルギーを集中できます。

毎年発生する手続きだからこそ、信頼できるパートナーを見つけておくことで、本業に集中できる環境を整えることができます。

当事務所は建設業許可を専門とする事務所であり、お客さまの要望に迅速・誠実な対応を心がけております。行政書士に相談してみようかな?と思われた方、是非お気軽にお問い合わせ下さい。

【当事務所の対応エリアについて】
当事務所は、富士市・富士宮市を中心に、沼津市、三島市、静岡市清水区など静岡県東部・中部全域の建設業・産廃業許可をサポートしています。「ウチの地域まで来てくれるかな?」と思われた方も、どうぞお気軽にご相談ください。初回ご相談無料で承ります。