富士市の建設工事|産廃の排出事業者は元請?下請?責任を解説

富士市の建設工事|産廃の排出事業者は元請?下請?責任を解説

富士市・富士宮市の産業廃棄物処理業者、またこれから処分業及び収集運搬業許可を取りたい業者の皆様へ、1級産業廃棄物適正処理管理士(建設系コース)である行政書士・海事代理士の海野孝幸が解説します。

1.結論!建設工事の産廃ゴミは
「元請業者」に処理責任があります

結論からお伝えいたしますと、元請業者が排出事業者、すなわち請け負った工事から生ずる廃棄物全体について元請業者が排出事業者として処理責任を負います。

2.なぜ下請ではなく「元請」が
責任を負う仕組みなのか?

建設工事をイメージしてください。工事の多くは、その工事の大きさによっては何十、何百社もの下請業者がそれぞれの業務を分担して工事を担当します。その下請業者の協力により、一つの案件が完遂され、物件は完成していきます。これを「重層下請構造」などと呼んだりします。

このような場合、建設工事全体を把握するのは元請業者ですが、実際に現場で作業をし、廃棄物を発生させるのは下請・孫請など当該事業者ということになり、その事業者が排出責任を負う、ということになりそうです。

しかし、これだとさきほど触れた通り、特に何十社、何百社も下請や孫請が関わるような工事の場合、その工事に伴って排出される廃棄物の処理責任者は誰なのか、曖昧になりやすい事態が生じてしまいます。

こうした事態は、各自治体が行う各種行政指導や行政処分の相手方が不明確になることに加え、なにより最悪の場合、責任の所在の曖昧さから廃棄物が一向に適正に処理されず、現場に置きっぱなしになるということも想定されます。

こうしたことを避けるために、廃棄物処理法では建設工事に伴って排出される産業廃棄物の排出事業者は元請業者である、と定められています。

3.知らずに運ぶと重い罰則?
下請業者が産廃を運ぶときの注意点

1、2でみてきたように、建設工事に伴って排出される産業廃棄物の排出事業者は元請業者である、というのは平成22年の法改正により明文化されました。ですから、当該工事に下請として従事した業者が排出した廃棄物を当該下請業者が運搬する場合、その業者は排出事業者ではないことから収集運搬業の許可が必要、ということになります。

このため、当該下請業者がもし許可なく当該廃棄物を運搬した場合には、無許可での運搬ということになり、非常に重い罰則が科される可能性がある、ということになります。

(例外ルール)500万円以下の小さな工事なら運べる?

もっとも、収集運搬業の許可を持たない下請業者による下請業者であっても、例えば①維持・瑕疵補修工事である、②請負金額(発注者の支払金額)が500万円以下の工事である、等々の諸条件を満たす場合に限り、当該廃棄物の運搬に限り排出事業者とみなし運搬が可能となります。ただし、条件を満たすには先に説明した①、②以外にも細かな要件をクリアする必要があり、実務上はあまり運用されない状況となっております。

4.解体工事でよくある疑問!
「残置物」の処分責任は誰にある?

これに対して、「残置物」(解体工事の際に建築物の所有者などが残置していった家具や日用品など)は、建設工事に伴い排出した廃棄物としては扱われません。例えば、住宅の解体工事を想像していただければわかると思いますが、そうした物品はその方が生活している途上で購入などしてその住宅に持ち込まれた、と考えられるからです。

ですから、残置物については解体工事に着手する以前から廃棄物といえ、解体工事の発注者(上記の住宅解体工事では当該住宅の所有者など)が排出者となります。ここまでの説明を下図に示しました。

富士市の建設工事における、注文者・元請業者・下請業者の産業廃棄物処理責任の境界線を表した図解

5.まとめ:富士宮市や沼津市の建設現場でも法令遵守が不可欠です

以上みてきたように、廃棄物行政及び廃棄物処理法は排出事業者を厳格に定め、また収集運搬業者を原則として許可業者に限定する等により「生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする」(廃棄物処理法第1条)の趣旨を具体化した運用を行っています。

とかくわかりにくい廃棄物処理法及びそれに伴う行政による運用ではありますが、各事業者の皆様にはおかれましては法令に違反しないことはもちろん、常に生活環境の保全及び公衆衛生の向上に配慮した事業遂行が必要と考えられます。

【当事務所の対応エリアについて】
当事務所は、富士市・富士宮市を中心に、沼津市、三島市、静岡市清水区など静岡県東部・中部全域の建設業・産廃業許可をサポートしています。「ウチの地域まで来てくれるかな?」と思われた方も、どうぞお気軽にご相談ください。