富士市・富士宮市で建設業許可|500万円の残高証明書の注意点

富士市・富士宮市で建設業許可|500万円の残高証明書の注意点

富士市の建設業許可における財産的基礎(行政書士 海野孝幸)

「建設業許可を取りたいけれど、500万円の資金がないと無理って本当?」
「手元にそんなに現金がない場合、どうやって証明すればいいんだろう……」

静岡県富士市・富士宮市で新しく建設業許可を取得しようと考えている社長のなかには、この「500万円の壁(財産的基礎)」で悩まれている方が非常に多くいらっしゃいます。

結論から言うと、必ずしも「今すぐ手元に500万円の貯金」がなくても、許可の要件をクリアできる方法はあります。

本記事では、富士市・富士宮市に密着する行政書士が、建設業許可に必要な財産的基礎の仕組みや、銀行で「残高証明書」を取得する際の実務的な落とし穴について、分かりやすく解説します。

建設業許可に必要な「財産的基礎(金銭的信用)」とは?

建設業許可を取得するためには、経営者の経験(経営管理業務責任者や営業所専任技術者)や資格(施工管理士の各資格など)だけでなく、「ある程度のお金(資金力)があること」が法律で義務付けられています。これを専門用語で「財産的基礎」または「金銭的信用」と呼びます。

具体的には、一般的な建設業許可(一般建設業許可)の場合、「500万円以上の資金力があること」がボーダーラインになります。

「なぜ、手続きにわざわざお金のチェックが必要なの?」と疑問に思う社長もいらっしゃるかもしれません。

理由はとてもシンプルです。
建設工事は、材料の仕入れや職人さんへの人件費など、工事が完了して入金されるまでに「先に出るお金(持ち出し)」がどうしても大きくなります。

もし、お金が全くない状態で大きな工事を引き受けてしまい、途中で資金ショート(倒産)してしまったら、発注したお客さんや、下請けの職人さんたちが大損害を被ってしまいますよね。

そのため、静岡県(土木事務所)は、「不測の事態があっても、工事を最後までやり遂げられるだけの経済的な体力があるか」を厳しく審査しているのです。

この、工事を最後までやり遂げられるだけの経済的な体力があるかの判定ラインが500万円以上の資金力、と位置づけられているのです。

「じゃあ、今すぐ500万円の現金を用意できないと絶対に許可は取れないの?」というと、決してそんなことはありません。次の章で、この500万円の条件をクリアするための具体的な2つの方法を解説します。

【一般建設業】500万円の壁をクリアする2つの方法

一般建設業許可において「500万円以上の資金力」を証明するためには、大きく分けて2つのルートがあります。

社長ご自身の会社(または個人事業)がどちらに当てはまるか、確認してみましょう。

① 直近の決算書で「純資産の部」が500万円以上ある

一番スムーズなのが、直近の決算書のデータで証明するルートです。
チェックする場所は、決算書の中にある「貸借対照表(バランスシート)」の右下、「純資産の部」の合計金額です(個人事業主の場合は、確定申告書の「期末純資産」の額になります)。

この金額が500万円以上になっていれば、それだけで要件クリアです!

「会社名義の通帳に今いくら入っているか」は関係ありません。これまでの経営の積み重ねで会社にそれだけの体力が蓄えられていると認められるため、次に説明する「残高証明書」をわざわざ銀行に取りに行く手間も省けます。

② 銀行から「500万円以上の残高証明書」を発行してもらう

「直近の決算が赤字だった」「まだ会社を設立したばかりで決算を迎えていない」という場合は、こちらのルートを使います。

会社の口座(個人事業なら事業主名義の口座)がある銀行などの金融機関にお願いして、「現在、この口座には500万円以上の残高があります」という『残高証明書』を発行してもらう方法です。

「手元にずっと500万円を置いておけない……」という社長もご安心ください。
あくまで「証明書を発行するその瞬間(指定した基準日)」に500万円以上が入っていれば要件を満たすことができます。

【重要】残高証明書を取る時の「3つの落とし穴」

「500万円の残高証明書を取ればいいんだな」と分かっても、実はここには特有の落とし穴が3つあります。

知らずに進めると、せっかく用意したお金が無駄になってしまうこともあるため、必ずチェックしておいてください。

落とし穴①:証明書の有効期限はわずか1ヶ月

銀行が発行してくれた残高証明書には「発行日から1ヶ月」という厳しい有効期限があります。

例えば、11月1日に発行してもらった証明書は、12月1日までに静岡県(土木事務所)へ申請書と一緒に提出しなければ、ただの紙くずになってしまいます。
お金を用意するタイミングと、他の書類(役所の証明書など)を集めるスケジュールをプロの手でパズルのように合わせる必要があるのは、この期限があるためです。

落とし穴2:500万円は「一瞬だけ」入っていればセーフ?

「500万円を何ヶ月も口座にキープし続けるのは資金繰り的にキつい……」という声をよく聞きます。

結論から言うと、審査されるのは「証明書を発行する指定の基準日(当日)」の残高のみです。
そのため、極端な話をすれば、基準日の前日にお金を口座に入れ、翌日に残高証明書を発行してもらい、そのあとすぐにお金を動かしたとしても、法律上は500万円の要件をクリアしたことになります。「ずっと拘束されるお金ではない」という点は知っておくと安心です。

落とし穴3:地銀や信金の「発行日数」に注意

富士市・富士宮市の社長であれば、地元の「静岡銀行(しずぎん)」「清水銀行」「富士信用金庫(ふじしん)」「富士宮信用金庫」(みやしん)」などの口座から残高証明書を取ることが多いかと思います。

ここで注意したいのが、窓口に行って「今すぐ発行してください」と言っても、その場ですぐにもらえるとは限らない点です。
金融機関や支店、あるいは「英文での発行」などの条件によっては、郵送での受け取りになり、手元に届くまで数日〜1週間ほどかかるケースもあります。期限ギリギリで焦らないよう、前もってスケジュールを組むことが大切です。

【特定建設業】はさらに厳しい!4つの財務基準

ここまでは、一般的な建設業許可(一般建設業)における「500万円の壁」についてお話ししてきました。

しかし、元請けとして大きな工事を発注者から直接請け負い、一定額(5,000万円以上、ただし建築一式工事の場合は8,000万円)以上の下請契約を結ぶ場合に必要な「特定建設業許可」を狙う場合は、審査の厳しさが桁違いに跳ね上がります。

(※一般建設業と特定建設業の違い詳細は、拙稿:富士市の業者が取得すべきは一般、それとも特定?建設業許可区分を徹底解説!をご参照下さい)

特定建設業では、さきほどの「500万円の残高証明書」を出すだけでは絶対に許可は下りません。
直近の決算書において、以下の「4つの財務基準」をすべて同時にクリアしている必要があります。

  1. 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
  2. 流動比率が75%以上であること
  3. 純資産(自己資本)が2,000万円以上あること
  4. 資本金が2,000万円以上あること

「漢字ばかりで、何を見ればいいのか全然分からない……」となってしまう社長も多いかと思います。

簡単に言うと、「会社に2,000万円以上のしっかりとした資本があり、かつ借金まみれではなく、今すぐ動かせる現預金などの余裕が十分にある状態か」を、数式を使って厳密にチェックされるのです。

特定建設業の財務要件は、一般建設業のように「一時的にお金を口座に集めて残高証明書でクリアする」という裏ワザが一切通用しません。

もし「うちは将来的に元請けとして大きくやっていきたいけれど、この決算書で特定建設業の許可は取れるだろうか?」と少しでも不安になったら、決算書(確定申告書)をそのまま私に見せていただくのが一番確実です。



まとめ:富士市・富士宮市の建設業許可申請は行政書士・海事代理士海野孝幸事務所へ

今回は、建設業許可を取得するうえで大きなハードルとなる「財産的基礎(500万円の資金力)」について解説しました。

重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 一般建設業許可は「500万円の資金力」が必須
  • 直近の決算書で「純資産」が500万円以上あればそれだけでOK
  • 足りない場合は銀行の「残高証明書(有効期限1ヶ月)」で証明する
  • 特定建設業許可を狙う場合は、さらに厳しい4つの財務基準がある

「500万円」という数字だけを見ると一瞬身構えてしまうかもしれませんが、決算書のタイミングをしっかり見極めたり、適切なスケジュールで残高証明書を手配したりすれば、クリアできるケースは非常に多いです。

一番もったいないのは、「うちはお金がないから無理だろう」と諦めて、取れるはずの大きな工事のチャンスを逃してしまうことです。

静岡県富士市・富士宮市周辺で、「うちの会社でも許可は取れる?」「残高証明書はいつのタイミングで取ればいい?」といった不安をお持ちの社長は、ぜひ一度、地域密着の行政書士・海事代理士海野孝幸事務所へお気軽にご相談ください。

【当事務所の対応エリアについて】
当事務所は、富士市・富士宮市を中心に、沼津市、三島市、静岡市清水区など静岡県東部・中部全域の建設業・産廃業許可をサポートしています。「ウチの地域まで来てくれるかな?」と思われた方も、どうぞお気軽にご相談ください。初回ご相談無料で承ります。