
こんにちは。富士市で産業廃棄物許可申請をサポートしている、行政書士・海事代理士の海野孝幸です。
富士市や富士宮市など、岳南地域の建設業を営む経営者や担当者のみなさま、現場でこのような疑問を抱いたことはありませんか?
「現場から出たこのスクラップ、リサイクル業者に売れるかもしれないけど産廃許可は必要なの?」
「他社の現場からゴミの運搬を頼まれた。産廃の収集運搬業許可を取りたいけれど、そもそも法律上の『廃棄物』ってどこからどこまで?」
近年、本業の建設業に加えて、「産業廃棄物収集運搬業」の許可を取得し、新たな収益源を確保したり、元請けからの信頼を高めたりする建設業者様が非常に増えています。特に富士市周辺は、建設現場だけでなく、地場産業である製紙工場や製造業者様から、副産物や廃棄物の運搬を相談されるチャンスも多い地域です。
しかし、産廃許可を取得してビジネスを広げる前に、必ず知っておかなければならない最重要テーマがあります。それが「法律上の『廃棄物』の定義」です。
ここを誤解していると、悪気はなくても「無許可営業」や「不法投棄」という重いペナルティ(5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方)を受けてしまうリスクがあります。
今回は、富士市周辺で産廃許可を取得してビジネスを成功させたい建設業者様に向けて、廃棄物の定義と、実務で絶対に外せない「5つの判断基準」を分かりやすく解説します。
法律が定める「廃棄物」の基本定義とは?
まず、日本の法律(廃棄物処理法)において、廃棄物は以下のように定義されています。
廃棄物処理法 第2条第1項
「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、糞尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染されたものを除く。)をいう。」
法律の文章は少し難しいですが、実務上、最も重要なキーワードは「不要物」です。
不要物とは、「自分が使う予定がなくなり、かつ、他人に有償(お金をもらって)で売却することもできないため、占有者(持ち主)にとって不要になったもの」を指します。
つまり、基本的には「お金を払って処分してもらうもの」はすべて廃棄物になります。なお、固形状又は液状のもの、と定義されていることから、気体は廃棄物にあたりません。
産業廃棄物と一般廃棄物の違い
ここで疑問なのは、廃棄物と一言でいっても、よく産業廃棄物と一般廃棄物って聞くけど、2つの違いって何?ということではないでしょうか。
この点、廃棄物処理法第2条第4項では、事業活動に伴って生じた廃棄物を産業廃棄物と規定しています。
ですから、事業活動に伴わずに排出された廃棄物を一般廃棄物、それ以外を産業廃棄物と定義できます。
建設現場から出るゴミの多くは事業活動に伴って生じたといえるため「産業廃棄物(産廃)」に該当します。
例えば、解体工事で出るコンクリート破片(がれき類)、木くず、廃プラスチック類、金属くずなどは、法律で指定された産業廃棄物です。これらを他社から依頼されて運搬・処理する場合には、必ず産廃許可が必要になります(自ら処理(処分又は収集運搬する場合)には許可は不要ですが、処分を行う場合には施設の処分業許可が必要となる場合もあります)。
ゴミか資産か?明暗を分ける「総合判断説」の5つの基準
「これは価値がありそうだから、廃棄物ではなく『有価物(価値ある資産)』だ。だから産廃許可はいらないよね?」
実は、ここが最も多くの事業者が足元をすくわれるポイントです。
ある物が「廃棄物」なのか、それとも「有価物」なのかは、排出者が「これはゴミじゃない」と勝手に判断することはできません。
行政や裁判では、以下の「5つの客観的な基準」を総合的に見て判断されます。これを「総合判断説」と呼びます。
① 物の性状(品質や安全性)
その物は、まだ製品や原材料として使える状態ですか?
例えば、適切に管理されておらず、雨ざらしでボロボロに錆びた鉄くずや、腐敗して異臭を放っている木くずなどは、いくら「売るつもりだ」と主張しても、客観的に見て「廃棄物」とみなされます。
② 排出の状況(保管のされ方)
その物は、将来売却するために、適切に分別・保管されていますか?
富士市内の資材置き場などに山積みに放置されていたり、他のゴミとごちゃ混ぜになっていたりする場合、それは「処分を待つゴミの山」=廃棄物と判断されます。
③ 通常の取扱い形態
世間一般の常識として、その物が市場で売買されている実績はありますか?
製品としての市場が形成され、廃棄物として処理されている事例が通常は認められていない場合、有価物と判断されます。
④ 取引の価値(★実務で最も重要!)
その物を引き渡す際、「どちらがお金を支払うか」です。
- 有価物:相手からお金(売却益)をもらって引き渡す。
- 廃棄物:相手にお金(処理費や運搬費)を支払って引き取ってもらう。
通常の商取引(売買など)は買主がお金を払い、売主は代わりに物品を渡す、ということが行われますが、廃棄物処理に関しては依頼主がお金を払い、かつ物品(ここでは廃棄物)も処理業者に渡す、ということが行われるのです。ですから、処理費用や運搬費と物品(廃棄物)の両方が依頼主から相手方(処理の受託者)へ渡る、という取引の場合に廃棄物と判断される、ということになります。
⑤ 占有者の意思(客観的意思)
持ち主が「もう自分には必要ない。誰かに引き取って処分してもらおう」という意思を持っているかどうかです。ただしこれは、過去の裁判によって、占有者の単なる主観ではなく、客観的要素から合理的に認定しうる占有者の意思として判断される、とされています。
建設業者がハマりやすい「逆有償(ぎゃくゆうしょう)」の罠
産廃許可の取得を検討されている建設業者様に、特に注意していただきたいのが「逆有償(手元金)」という取引形態です。
例えば、解体現場から出た鉄くずをリサイクル業者に持ち込んだとします。
- 鉄くず自体の買い取り価格:+30,000円
- 業者が請求してきた運搬・選別費用:-40,000円
- 差し引きの収支:-10,000円(あなたが支払う)
このように、物自体には価値があっても、運搬費や手数料などを差し引いた結果、最終的に排出側(あなた)がお金を支払う取引のことを「逆有償」と呼びます。
法律上、逆有償の取引になる物は「廃棄物」として扱われます。
したがって、この鉄くずを他社の現場から運んできた場合、あなたは「産業廃棄物の収集運搬」を行ったことになり、産廃許可を持っていなければ無許可営業の違法行為になってしまうのです。
「売れると思った」「トータルでマイナスになるとは知らなかった」という言い訳は通用しませんので、十分な注意が必要です。
静岡県(富士市)で産廃許可をスムーズに取得するためのステップ
もし、他社の現場から出る資材やゴミを運搬して運賃を得たい、あるいは逆有償になる可能性のある物を取り扱いたいのであれば、一刻も早く産業廃棄物収集運搬業の許可を取得することをおすすめします。
許可を取得すれば、違法リスクを完全にゼロにできるだけでなく、以下のような大きなメリットがあります。
- 元請け企業からの信頼アップ:コンプライアンス(法令遵守)が厳しい大手元請けからも、安心して仕事を任せてもらえます。
- ビジネスの多角化:建設業のオフシーズンや、自社のトラック・人員が空いている時間を活用して、産廃運搬ビジネスで安定した副収入を得られます。
- 建設工事における排出事業者は原則として元請業者であり(拙稿:富士市の建設工事|産廃の排出事業者は元請?下請?責任を解説)、下請業者は原則として当該工事で排出された廃棄物を許可なく収集運搬できませんが、下請業者自体が必要な収集運搬許可を取得していれば、その工事現場で排出された廃棄物を自ら運搬することができ、売り上げアップにつながります。
なお、富士市に営業所がある事業者が「静岡県内」で産廃を運ぶ場合、申請窓口は静岡県東部健康福祉センター廃棄物課となります。完全予約制となっておりますので、急いで許可を取りたいとなった場合には、できるだけスピーディな対応が必要となります。
産廃許可を取得するためには、
- 「産業廃棄物処理業の講習会」を受講し、試験に合格する(※静岡県内での開催数は限られているため、早めの予約が必要です(拙稿:合格した行政書士が解説!富士市の産業廃棄物講習とは(1/3)などを参照ください)。
- 経理状況(法人の税金滞納がないか、債務超過でないかなど)をクリアする
- 運搬する車両(ダンプやトラック)や容器(ドラム缶やフレコンバッグなど)を適切に確保する
- 扱う「産業廃棄物の品目(種類)」を正確に選んで申請する
といった準備が必要です。特に、今回のテーマである「廃棄物の定義」を踏まえ、自社が将来扱う可能性のある品目を漏れなく申請書類に記載することが、許可取得後のビジネスの成否を分けます。
まとめ:迷ったら自己判断せず、富士市の産廃専門行政書士へご相談ください
「廃棄物」か「有価物」かの境界線は、非常にデリケートです。
自治体(静岡県や、政令市である静岡市・浜松市なども静岡県の他に独自の許可権を有しています)によっても、細かい運用の判断基準が微妙に異なるケースがあり、自己判断で「これはゴミではないから許可はいらない」と思い込むのは非常に危険です。
万が一、無許可営業と判断されてしまえば、最悪の場合、せっかく築き上げてきた建設業の許可まで取り消されてしまうという事態になりかねません。
当事務所は、富士市・富士宮市を中心に、建設業を営む経営者様が安心してビジネスを拡大できるよう、産業廃棄物処理業許可の申請を地域密着でサポートしております。
- 「うちが運ぼうとしている物は、産廃許可が必要?」
- 「富士総合庁舎への申請書類、書き方が複雑で進まない」
- 「講習会の予約や書類作成の手間を省いて、本業の現場に集中したい」
地元の行政書士だからこそ、迅速な対応とフットワークの軽さで、貴社のビジネスに最適な品目選定と確実な許可取得をお手伝いいたします。まずは、お気軽にお問い合わせフォームまたはお電話にてご相談ください。なお、当事務所は海事代理士も兼務しておりますので、「港湾工事、浚渫(しゅんせつ)土砂の運搬、船舶から出る廃油や廃棄物の処理など、海事代理士の知見が必要な特殊な産廃申請もお任せください。
【当事務所の対応エリアについて】
当事務所は、富士市・富士宮市を中心に、沼津市、三島市、静岡市清水区など静岡県東部・中部全域の建設業・産廃業許可をサポートしています。「ウチの地域まで来てくれるかな?」と思われた方も、どうぞお気軽にご相談ください。初回ご相談無料で承ります
