【富士市の建設業者様へ】知らないと怖い!建設業許可の「欠格要件」とは?行政書士が解説

【富士市の建設業者様へ】知らないと怖い!建設業許可の「欠格要件」とは?行政書士が解説

建設業許可における欠格要件(行政書士海野孝幸)

こんにちは。富士市を中心に、静岡県中・東部エリアで建設業許可の申請サポートを行っている行政書士・海事代理士の海野孝幸です。

「そろそろ500万円以上の大きな工事を受注するために、建設業許可を取りたい」
「経営業務の管理責任者(経管)や専任技術者(専技)の条件は何とかクリアできそうだ」

そう考えて準備を進めている経営者の皆様、ちょっと待ってください。
建設業許可には、どれだけ売上や実績、資格があっても、「たった1つ該当するだけで一発不許可」になってしまう恐れのある、恐ろしい落とし穴があります。

それが「欠格要件(けっかくようけん)」です。

「うちは真面目にやってるから関係ないよ」と思っている会社ほど、過去の「うっかり」や「知らなかった」で不許可になり、大きな損害を出してしまうケースがあります。今回は、富士市の建設業者の皆様に向けて、欠格要件の全体像と注意すべきポイントを分かりやすく解説します。

建設業許可の「欠格要件」とは?

建設業許可を取得するためには、大きく分けて5つの厳しい要件をクリアする必要があります(詳細は拙稿:建設業は、誰でも勝手に始めていいのではありません。を参照ください)。その中で、最も見落とされがちなのが「欠格要件に該当しないこと」です。

簡単に言うと、「過去に問題を起こしていたり、誠実な営業が期待できなかったりする人には、国の重要な許可を与えません」というルールのことです。

もし申請書類を提出した後に欠格要件への該当が発覚すると、申請は不許可になります。それだけでなく、支払った申請手数料(静岡県知事許可なら9万円)も戻ってきません。さらに、許可を取った後に該当したことが分かれば、許可取り消しという非常に重い処分が下されます。

チェック対象は「社長ひとり」ではありません!

欠格要件をチェックする際、最も勘違いしやすいのが「誰が対象になるか」という点です。
「社長である自分に問題がなければセーフ」というわけではありません。

審査の対象となる範囲は、想像以上に広いです。

  • 個人事業主の場合:事業主本人、支配人など
  • 法人の場合:会社の役員全員(取締役、監査役、執行役など)、株主(発行済株式の100分の5以上を保有する個人・法人)、支店長や営業所長(建設業法施行令第3条の使用人)

たとえば、法人の場合、「非常勤の監査役」や「名前だけ籍を置いている取締役」であっても、そのうちの誰か1人が欠格要件に引っかかっていれば、会社全体としてアウト(不許可)になってしまいます。ですから、お知り合いの方などに役員就任をお願いする際にはこうしたことがないかの確認と慎重さが求められます。

分かりやすく整理!欠格要件の「6つの大枠」

建設業法第8条には、欠格要件が14項目にわたって細かく定められています。条文のままだと非常に難しいため、ここでは分かりやすく6つのポイントに分類して解説します。

① 刑事罰・法律違反の経歴がある(5年ルール)

最もトラブルになりやすいのが、この「刑罰」に関する要件です。

拘禁刑以上の刑(刑務所に入る刑)を受けた場合、執行猶予中はもちろん、刑が終了してから5年が経過するまでは許可が取れません。

【特に注意】罰金刑でもアウトになる法律がある
「罰金なら大丈夫だろう」は大間違いです。以下の法律で罰金刑を受けた場合、刑の確定から5年間は欠格要件に該当します。

建設業法違反
建築基準法、労働基準法、宅地建物取引業法などの関連法違反
暴力行為、傷害罪、脅迫罪、器物破損罪など(現場でのトラブルやケンカなど)
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反

② 過去に重大な行政処分を受けている

過去に建設業許可の取消処分を受けたことがある場合、その取消しの日から5年間は再取得ができません。
また、処分を逃れるために自ら廃業届を出した場合も、同様に5年間は許可が認められません。

③ 破産して「復権」を得ていない

過去に自己破産をしたこと自体は問題ありません。しかし、破産手続きが開始されてから、裁判所から「復権(権利が元に戻ること)」を得るまでの期間は、欠格要件に該当するため許可申請ができません。通常は数ヶ月で復権しますが、その間は対象外となります。

④ 反社会的勢力(暴力団など)との関係がある

暴力団員である場合は当然不許可ですが、「暴力団員でなくなってから5年を経過しない者」も含まれます。また、会社の経営に暴力団員が実質的に関与していると判断された場合も、厳しく排除されます

⑤ 精神の機能の障害により適切な判断ができない

認知症や精神上の障害などにより、建設業を適正に営むための判断能力が不十分であると認められるケースです(成年被後見人や被保佐人に該当する場合など)。

⑥ 申請書類に「虚偽の記載」がある

これもうっかり起こりやすい重大な違反です。
申請書や添付書類に嘘の記載(虚偽記載)をしたり、不都合な事実を隠して(重要事実の記載欠落)提出したりした場合です。「知らなかった」「忘れていた」という言い訳は一切通用せず、その時点で不許可や取り消しの対象となります。

行政書士が教える!富士市の現場で本当にあった「うっかり不許可」の落とし穴

富士市や富士宮市など、静岡県東部エリアの事業者様からご相談をいただく中で、実際にヒヤリとした、あるいはトラブルになりかけた事例をご紹介します。

落とし穴A:役員の「過去の交通違反(赤切符)」

「数年前にスピード違反で捕まって、罰金(略式命令)を払った記憶がある」というケースです。
通常の青切符(反則金)であれば欠格要件にはなりませんが、酒気帯び運転や過失運転致死傷などにより「罰金刑(赤切符)」となり、それが上記の「傷害罪」等や関連法に絡む性質のものだった場合、役員名簿に入っている段階でアウトになるリスクがあります。「これくらい大丈夫だろう」と隠して申請すると、前述の「虚偽申請」となり、事態はさらに悪化します。

落とし穴B:名前だけの役員の「前科」や「自己破産」

「実家の父親を名前だけ取締役にしている」「妻を監査役にしている」という法人様は多いです。
経営の実権を握っていなくても、その親族が過去5年以内に罰金刑を受けていたり、現在たまたま破産手続き中であったりすると、会社全体の許可が吹き飛びます。こうした事実は、とかく本人にとっては隠しておきたい、他人に話したくないことかもしれませんが、自社を守るために申請前には、必ず全役員に対して丁寧なヒアリングを行う必要があります。

まとめ:不安なときは、静岡県富士土木事務所へ出す前にご相談を

建設業許可の欠格要件は、「知らなかった」では済まされない非常に厳しいルールです。
富士市に営業所がある事業者様の場合、知事許可の申請窓口は「静岡県富士土木事務所(富士市本市場)」になりますが、書類を提出すると県による厳格なバックグラウンドチェック(警察照会や身分証明書の確認など)が行われます。「大丈夫だろう」「ばれないだろう」が通用しないルールとなっています。

「うちの役員の中に、もしかしたら該当しそうな人がいるかもしれない……」
「過去の罰金歴が、欠格要件の法律に引っかかるか分からない」

少しでも不安を感じたら、書類を作って提出してしまう前に、まずは建設業許可の専門家である行政書士にご相談ください。事前に状況を整理し、役員の構成を見直すなどの適切な対策を取ることで、合法かつスムーズに許可を取得できる道が開けます。

【当事務所の対応エリアについて】
当事務所は、富士市・富士宮市を中心に、沼津市、三島市、静岡市清水区など静岡県東部・中部全域の建設業・産廃業許可をサポートしています。「ウチの地域まで来てくれるかな?」と思われた方も、どうぞお気軽にご相談ください。初回ご相談無料で承ります。
また、海事代理士業務も行っていますので、海や船舶、船員さんなどの手続きを行いたいといった場合にもお気軽にご相談ください。