【富士市・富士宮市】そのゴミ、実は特管かも?特別管理産業廃棄物の基礎知識と注意点を専門行政書士が解説

【富士市・富士宮市】そのゴミ、実は特管かも?特別管理産業廃棄物の基礎知識と注意点を専門行政書士が解説

特別管理産業廃棄物(行政書士・海事代理士海野孝幸)

こんにちは。産業廃棄物(産廃)の許可申請やコンプライアンス遵守を専門にサポートしている富士市の行政書士・海事代理士の海野孝幸です。

企業や工場、医療機関などから日々排出される産業廃棄物。一言で「産廃」といっても、実はその性質によって法律上、明確に区別されているのをご存知でしょうか。

特に注意しなければならないのが、処理を誤ると甚大な環境汚染や健康被害を引き起こすリスクのある「特別管理産業廃棄物(通称:特管)」です。

「自社から出るゴミは普通の産廃だと思っていたら、実は特管物だった」
「知らずに通常の産廃業者に委託してしまい、法律違反になってしまった」

このような事態を防ぐために、今回は廃棄物処理法における廃棄物の分類から、特別管理産業廃棄物の具体的な種類、そして排出事業者が絶対に知っておくべき注意点まで、分かりやすく徹底解説します。なお、普通産業廃棄物については拙稿:【富士市・富士宮市】そのゴミ、本当に「産業廃棄物」ですか?製紙業・製造業が間違えやすい20種類と業種指定の判断基準をご参照ください。

また、多量排出事業者についても産業廃棄物処理法は特別の運用を求めています。詳細は【富士市・富士宮市のメーカー・製紙業者様へ】うちの工場は大丈夫?産業廃棄物の「多量排出事業者」の基準と見落としがちな落とし穴をご参照ください。

1. そもそも「廃棄物」の分類はどうなっている?

廃棄物処理法(廃掃法)において、すべての廃棄物は大きく「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の2つに分類されます。

そして、それぞれの中に「人間の健康や生活環境に被害を及ぼす危険性があるもの」として、さらに厳しい基準が設けられているのが「特別管理廃棄物」です。分かりやすく整理すると、廃棄物は以下の4つに分類されることになります。

  • 普通の産業廃棄物
  • 特別管理産業廃棄物(爆発性・毒性・感染性などがあるもの)
  • 普通の一般廃棄物
  • 特別管理一般廃棄物(家庭から出るPCB使用部品や感染性のあるものなど)

私たち産業廃棄物を扱う事業者や関係者において、特別管理廃棄物ではない通常の産廃を区別するために「普通産業廃棄物」と呼ぶこともあります。今回スポットを当てるのは、産業廃棄物の中でも特に取り扱いに注意が必要な「特別管理産業廃棄物」です(廃棄物処理法第2条第5項、廃棄物処理法施行令第2条の4)。

2. 特別管理産業廃棄物(特管)の定義とは?

廃棄物処理法(第2条第3項)では、特別管理産業廃棄物を以下のように定めています。

「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性質を有する産業廃棄物」

つまり、通常の産業廃棄物と同じように、安易に埋め立てたり、一般的な方法で運搬・焼却したりすると、爆発事故が起きたり、有害物質が漏れ出したり、病気の中毒や感染が広がったりする恐れがある極めて危険な廃棄物のことです。そのため、排出から最終処分が終了するまでの全工程において、非常に厳しい処理基準が課されています。

3. 具体的にどんなものが該当する?主な種類と特徴

では、具体的にどのような廃棄物が「特別管理産業廃棄物」に該当するのでしょうか。代表的なものをいくつか挙げてみましょう。

① 燃焼性の廃油(引火性廃油)

揮発油類(ガソリン)、灯油類、軽油類など、引火点が70℃未満の廃油が該当します。非常に燃えやすいため、火災や爆発の危険性が高く、特別な保管や運搬の基準が求められます。

② 腐食性の廃酸・廃アルカリ

強い酸性、または強いアルカリ性を持つ液体の廃棄物です。具体的には、pH(水素イオン濃度)が2.0以下の廃酸、およびpH12.5以上の廃アルカリが該当します。皮膚に触れると化学火傷を起こしたり、金属を腐食させたりする危険があるため、ドラム缶などの耐食性容器での保管が必須です。

③ 感染性産業廃棄物

病院、診療所、検査機関などの医療機関等から発生し、人が感染する恐れのある病原体が含まれている、または付着している恐れのある廃棄物です。使用済みの注射針、メス、血液が付着したガーゼなどがこれに当たります。専用のバイオハザードマークが表示された容器に封入して処理する必要があります。

④ PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物

PCB(ポリ塩化ビフェニル)が含有、または付着している廃棄物です。古い高圧トランスやコンデンサ、蛍光灯の安定器などに使われていました。毒性が非常に強く、環境中で分解されにくいため、法律で定められた期間内に厳格に処理しなければなりません。低濃度であってもPCBが含まれている場合は該当します。

⑤ 廃石綿等(アスベスト)

建築物の解体工事などに伴って発生する、石綿(アスベスト)が飛散する恐れのある廃棄物です(例:吹付けアスベストの除去物など)。人が吸い込むと肺がんや中皮腫を引き起こす原因となるため、飛散しないよう二重梱包するなどの厳重な措置が必要です。

⑥ 廃水銀等・有害金属等を含む産業廃棄物

特定施設から排出される廃水銀や、水銀化合物。また、特定の工場などから生じた、カドミウム、鉛、ひ素などの有害金属が国の定める基準を超えて含まれるばいじん、燃え殻、汚泥、廃酸・廃アルカリなどが該当します。

なお、混同されやすいですが、「放射性物質」によって汚染されたものは廃棄物処理法ではなく、別の特別な法律(放射性物質汚染対処特措法など)の対象となるため、この分類からは除外されます。

4. 排出事業者が絶対に守るべき「3つの義務」

①:特別管理産業廃棄物管理責任者の設置

特管を排出する事業場ごとに、専門の知識を持つ「特別管理産業廃棄物管理責任者」を置くことが法律で義務付けられています(廃棄物処理法第12条の2第8項)。この責任者は、適切な保管や処理が行われているかを管理・監督する役割を担います。

②:専用の許可を持つ業者への委託

産業廃棄物の処理を委託する際、委託先が「特別管理産業廃棄物収集運搬業」や「特別管理産業廃棄物処分業」の専用の許可を持っている必要があります。通常の「産業廃棄物処理業」の許可しか持っていない業者に特管の処理を委託すると、無許可業者への委託となり、排出事業者側も厳しく罰せられます。また、収集運搬業と処分業の区別も厳格ですので、特管収集運搬業の許可しか有していない業者へ特管の処分を委託したり、逆に特管処分業の許可しか有していない業者へ特管の収集運搬を委託したりすることはできません。

③:マニフェスト(産業廃棄物管理票)の適切な運用

当然ながら、特管の処理にあたってもマニフェストの発行が必要です。特管のマニフェストは、通常の産廃用とは様式が異なる場合があり、処理状況の確認もより厳格に行う必要があります。近年では、電子マニフェストの導入も強く推奨(一部で義務化)されています。

5. まとめ:迷ったらまずは「産廃専門の行政書士」へ

特別管理産業廃棄物は、その名の通り「特別な管理」が必要な廃棄物です。万が一、分類や処理方法を間違えてしまうと、不法投棄や無許可委託とみなされ、「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金(またはその両方)」という非常に重い刑事罰が科されるリスクがあります。さらに、法人の場合は最高3億円の罰金が科されることもあります(両罰規定)。

「うちの製紙工場や製造ラインから出るこの廃液は、廃酸(特管物)になるのだろうか?」
「新しい事業を始めるにあたり、産廃の委託契約を正しく結びたい」

そんな不安や疑問をお持ちの排出事業者様は、ぜひ一度、産業廃棄物の専門家である行政書士にご相談ください。複雑な法令を遵守し、貴社のビジネスが安心して継続できるよう、許可申請からコンプライアンス体制の構築までトータルでサポートいたします。

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また、海事代理士業務も行っていますので、海や船舶、船員さんなどの手続きを行いたいといった場合にもお気軽にご相談ください。